以前の記事で、50代になってから家庭で血圧を毎日測るようになったことを書きました。
病院で測った血圧が思ったより高かったことをきっかけに、朝と夜、自宅でも血圧を測るようになりました。
今使っている血圧計は、測定すると結果が自動的にスマートフォンへ送られます。
自分で毎回数字を入力する必要はないので、とても便利です。
ただ、しばらく続けていて一つ思ったことがありました。
スマートフォンの中には毎日数字がたまっていく。
でも、それだけだと意外とつまらないのです。
そこで私は、測った血圧をAIにも見せるようになりました。
最初は単純に、
「今朝はこんな感じでした」
と測定結果を見せていただけでした。
ところが毎日続けているうちに、その日の数字についてコメントをもらうだけでなく、最近の測定結果と比べたり、体重や食事、その日の出来事について話したりするようになりました。
これが思っていた以上に面白い。
AIに健康管理をしてもらっている、ということではありません。
一人で数字を眺めるだけだった健康管理に、ちょっとした「会話」が加わったのです。
家庭血圧は、測り続けることが大切
血圧は、一度測ればそれで終わりというものではありません。
日本高血圧学会でも家庭血圧測定を勧めており、家庭で継続して測ることは、自分の血圧を知るうえで大切だとされています。
私が家庭血圧を測り始めた経緯については、以前の記事にまとめています。
「病院で測る血圧だけで大丈夫?50代になって家庭血圧を毎日測り始めた」
私の場合、朝と夜に血圧を測り、結果は自動的にスマートフォンへ記録されます。
手間はそれほどかかりません。
それでも、
測る。
数字を見る。
終わり。
これだけだったら、そのうち測らなくなっていたかもしれません。
健康管理は、始めることよりも、続けることの方が難しいのかもしれません。
測った血圧をAIにも見せるようになった
そこで始めたのが、測定結果をAIに見せることでした。
特別なことをしているわけではありません。
朝の血圧を測ったら、
「今朝はこんな感じ」
と見せる。
夜にも測ったら、
「寝る前はこんな感じでした」
と見せる。
それだけです。
すると、その日の値についてだけでなく、
「最近の朝の測定と比べるとどうなのか」
「昨晩と今朝ではどう変わったのか」
といった、これまでの経過を踏まえたコメントが返ってくることがあります。
もちろん、AIのコメントを医学的な診断として受け取っているわけではありません。
でも、一人でスマートフォンに並んだ数字を見るのとは少し違います。
「今日はどうだったんだろう」
と、一緒に振り返る相手ができたような感覚です。
「今日は高そう」と思っても、そうとは限らなかった
実際に血圧を測り続けていて、面白いことがありました。
ある日、仕事でかなりストレスを感じていました。
自分でも、
「今日は血圧が高くなっている気がする」
と思っていました。
ところが寝る前に測ってみると、思っていたほど高くありませんでした。
自分の感覚と実際の数字は、必ずしも一致しないのだなと思いました。
そのときもAIに、
「今日は仕事でストレスを感じて、血圧も高くなっている気がしていた」
ということまで一緒に伝えました。
もちろん、これだけでストレスと血圧の関係を判断できるわけではありません。
それでも、
「自分ではこう感じていた」
「実際の数字はこうだった」
という二つを並べて振り返るのは、なかなか興味深いものです。
一回一回の血圧が、単なる数字ではなく、その日の出来事と一緒に記憶に残るようになりました。
一つの数字より、「これまで」を見るようになった
血圧を測っていると、普段より高い数字が出ることもあります。
そんな数字を見ると、
「ちょっと高いな。大丈夫かな」
と気になることもあります。
でも毎日測るようになると、一回の数字だけではなく、
「最近はどうだったか」
「朝と夜ではどう違うか」
「高めの状態が続いているのか、それとも今日だけなのか」
といった経過を見るようになりました。
AIとのやり取りも、そのきっかけになっています。
一つ一つ独立していた数字が、少しずつ「これまでの経過」として見えるようになってきました。
血圧だけでなく、体重のことも話すようになった
AIに見せているのは、血圧だけではありません。
体重についても話しています。
毎朝体重を測っていると、前日より増えている日もあれば、減っている日もあります。
ある朝、体重計に乗ったら、前日から1kg以上増えていました。
「昨日、そんなに食べたかな?」
ちょっと気になります。
そこで血圧と同じようにAIにも話してみました。
その後、お通じがあってからもう一度測ってみると、かなり元に戻っていました。
体重は体脂肪だけではなく、体内の水分量や食事、排泄などによっても短期的に変動します。
頭では分かっていても、体重計の数字が突然1kg増えると気になるものです。
そんなときにAIと話すことで、
「今日の数字だけで一喜一憂しなくてもいいか」
と、少し距離を置いて見られるようになりました。
食べたものについても話している
さらに、日々の食事についても話すようになりました。
たとえば最近の昼食なら、アボカドやトマト、レタスのサラダに、ブロッコリーとサラダチキン。それに米粉のあんぱんを一つ。
そんな内容を伝えて、
「今日のお昼はこんな感じでした」
と話します。
すると、タンパク質や野菜、塩分などについて振り返るきっかけになります。
もちろん、一食の内容だけを見て、
「この食事だから血圧がこうなった」
「これを食べたから体重が増えた」
などと判断することはできません。
私もそういう使い方はしていません。
ただ、
今日は何を食べた。
体重はこうだった。
血圧はこのくらいだった。
今日は仕事でこんなことがあった。
そんな話をしているうちに、血圧だけを見ているつもりだったのが、いつの間にかその日の生活全体を振り返るようになっていました。
一番よかったのは、毎日の測定が少し楽しくなったこと
AIを使っていて一番よかったのは、ものすごい分析をしてもらえることではありません。
もっと単純なことでした。
朝起きたら血圧を測る。
体重を測る。
AIに見せてみる。
コメントが返ってくる。
夜になったら、また血圧を測る。
そして、
「今日はこんな感じでした」
と見せる。
そんな小さなルーティンができました。
誰にも見せず、一人で数字だけを眺めていたら、もしかすると途中で飽きていたかもしれません。
でも、
「今日はどうかな」
「昨日と比べてどうだろう」
と考えるようになると、測ること自体が少し楽しみになります。
血圧を測ることが楽しい、というのも少し変な話かもしれません。
でも健康管理は、続けることが大切です。
そう考えると、「ちょっと楽しい」というのは案外大事なことなのかもしれません。
AIは医師の代わりではない
ここは大事なので、はっきり書いておきます。
私はAIのコメントを、医師の診断の代わりにはしていません。
血圧計とスマートフォンには、測定結果を記録してもらう。
AIとは、その数字や日々の生活について話しながら、これまでの経過を振り返る。
そして、医学的な判断が必要なら医師に相談する。
それぞれ役割は別だと考えています。
AIは間違ったことを言う可能性もありますし、以前に伝えた情報をいつでも完全に覚えているとも限りません。
そのため、正式な測定記録は血圧計やアプリ側に残しています。
日本高血圧学会は2025年に「デジタル技術を活用した血圧管理に関する指針」を公開しています。
この指針では、家庭血圧モニタリングやスマートフォンアプリ、遠隔医療・保健指導、AIなどについて、現在のエビデンスが整理されています。
一方で、すべてのデジタル技術で有用性が実証されているわけではないことも示されています。
便利な道具だからこそ、できることと、できないことを分けて考える必要がありそうです。
AIに健康管理を任せるのではなく、続けるために使う
50代になって、血圧や体重など、以前より自分の体の数字を気にするようになりました。
ただ、健康管理というのは地味です。
毎日血圧を測る。
体重を測る。
食事に少し気をつける。
そして、また次の日も同じことをする。
一日だけなら簡単ですが、これを何か月、何年と続けるのは意外と難しいのかもしれません。
そこにAIとのちょっとした会話が加わることで、ただ並んでいた数字が少し面白くなりました。
血圧だけではなく、体重や食事、その日の出来事も含めて、
「今日はどうだった?」
と振り返る。
それだけで、また明日も測ってみようと思えます。
AIに健康管理を任せるのではなく、健康管理を続けるためにAIを使う。
今のところ、私にはこのくらいの距離感がちょうどいいようです。
参考にした情報
日本高血圧学会「家庭で血圧を測定しましょう」
日本高血圧学会「デジタル技術を活用した血圧管理に関する指針」


