週間マーケット振り返り|AI投資への懸念が再燃、日経平均は週間4%安【2026年10月19日〜23日】

Compound Tomorrow 週間マーケット振り返り 週間マーケット

今週の市場をひと言で

10月19日〜23日の株式市場は、AI関連投資への期待と、その巨額の費用を回収できるのかという疑問が交錯した1週間でした。米国ではハイテク株が不安定な値動きとなり、原油高も株価の重荷に。一方、日本では半導体関連株への売りが目立ち、日経平均は前週末から4%超下落しました。日米の金融政策を左右する物価動向にも関心が集まっています。

米国株式市場の振り返り

指数10月23日終値週間騰落率
S&P5007,623.68−0.47%
NASDAQ総合25,955.34−0.71%
NYダウ52,215.16ドル+0.41%

※週間騰落率は10月16日終値との比較。

米国株は週初に半導体・AI関連銘柄が買い戻されましたが、後半に再び売りが強まりました。22日のNASDAQ総合は前日比約2.6%下落。AI向けデータセンターなどへの投資が拡大する一方、資金調達負担や収益化までの時間を懸念する動きが目立ちました。

23日はNASDAQの下落幅が縮小したものの、S&P500も下落して取引を終了。週間では両指数が小幅安となった一方、NYダウは上昇しました。大型ハイテク株とそれ以外の銘柄で、投資家の評価が分かれた形です。

金利面では、米10年国債利回りが23日時点で約4.99%と高い水準にありました。23日発表の10月米国総合PMI速報値は57.6で、前月の58.4から低下したものの、景気拡大を示す50を上回っています。ミシガン大学の消費者態度指数は10月確報で48.0と低水準にとどまり、景気の底堅さと家計の物価負担が並存する状況がうかがえます。

日本株式市場の振り返り

指数10月23日終値週間騰落率
日経平均株価62,693.16円−4.03%
TOPIX3,965.81−2.46%

※週間騰落率は10月16日終値との比較。

日本株は米国のAI関連株安の影響を強く受けました。日経平均は19日、20日と下落し、21日にいったん反発したものの、22日には1,713円余りの大幅安。23日も続落し、前週末から2,631.13円下げて取引を終えました。23日の取引時間中には一時6万2,000円を割り込みましたが、その後は下げ幅を縮めています。

TOPIXの下落率は日経平均より小さく、半導体関連など一部の値がさ株の下落が日経平均を強く押し下げたことが分かります。23日は半導体株のなかでも銘柄ごとに値動きが分かれ、単純な全面安ではありませんでした。

為替は週後半に円高方向へ動き、ドル円相場は23日の取引終了時点で1ドル=156.84円前後。前週末の158.01円前後から円高となり、輸出企業の採算への影響も意識されました。国内では9月の全国消費者物価指数が発表され、日銀の次回会合を前に金利見通しへの関心が高まっています。

今週の重要ニュース

1. AI投資の規模と採算性が改めて焦点に

21日に決算を発表したMetaは、2026年の設備投資見通しの下限を引き上げました。業績が市場予想を上回っても、翌22日の株価は7%超下落。投資家が売上や利益だけでなく、巨額のAI投資を将来どれだけ回収できるかを重視していることを示す動きです。

AI関連企業の株価を見るうえでは、設備投資額の大きさに加え、収益やキャッシュフローの伸びが投資負担に見合うかが引き続き注目点になります。

2. 中東情勢を背景に原油価格が上昇

中東のエネルギー供給への懸念から原油価格が上昇し、23日の北海ブレント原油は1バレル116.72ドルとなりました。米国ではエネルギー関連株が買われる一方、燃料費や輸送費の上昇が企業収益と消費に与える影響が意識されています。

原油高が長引く場合、インフレを抑えるための金融政策にも影響し得ます。資源輸入への依存度が高い日本にとっても、企業コストや家計負担を通じて無関係ではないテーマです。

3. 日本の物価上昇率が再び2%台に

総務省が23日に発表した9月の全国消費者物価指数は、生鮮食品を除く総合で前年同月比2.1%上昇しました。8月の1.7%から伸びが拡大し、9カ月ぶりに2%台に戻っています。生鮮食品とエネルギーを除く指数も2.4%上昇しました。

物価上昇の持続性は、日銀が追加利上げを判断するうえで重要な材料です。家計の購買力や企業の価格転嫁の状況と合わせて確認する必要があります。

4. 日銀がAI関連投資と金融システムのリスクを分析

日銀は23日公表の金融システムレポートで、海外のノンバンク金融仲介機関を通じたAI投資への資金供給や、AIを悪用したサイバー攻撃をリスクとして取り上げました。一方、日本の金融システムは全体として安定しているとの評価も示しています。

株式市場でのAI関連株の調整が、資金を貸し出す金融機関などにどう波及するかという、株価だけでは見えにくい視点を示した内容です。

長期投資家として押さえておきたいこと

今週は米国の主要指数間で騰落率に差があり、日本でも日経平均とTOPIXの下げ幅が異なりました。指数全体の動きだけでなく、どの業種や銘柄に値動きが集中しているかを確認すると、市場の変化を捉えやすくなります。

また、株価に加えて金利、原油、為替が同時に動く局面では、資産配分や退職後の生活資金の確保といった長期的なテーマとの関係も見えてきます。

短期的な株価の変動に一喜一憂するのではなく、自分の資産配分や生活資金の確保が、長期的な計画に合っているかを確認することが大切だと思います。

来週の注目ポイント

10月27〜28日には米連邦公開市場委員会(FOMC)が開かれます。市場では政策金利の据え置きが予想されていますが、12月以降の金融政策についてどのような説明があるかが焦点です。

29日には米国の7〜9月期GDP速報値と9月の個人所得・支出関連統計が公表予定。成長率と物価の両面から、米景気の現状を確認する機会になります。28日に予定されるMicrosoftの決算をはじめ、米大型IT企業の決算ではAI投資額と収益の見通しが注目されます。

日本では29〜30日に日銀金融政策決定会合が開催されます。9月の物価指標を踏まえ、政策金利の判断と経済・物価見通しがどのように示されるかが注目点です。

まとめ

今週はAI関連投資の採算性への疑問が株価に影響し、日本株の下落が米国以上に目立ちました。原油高と物価上昇も重なり、市場の関心は企業業績と金融政策の両方に向かっています。来週は日米の中央銀行会合と米大型IT企業の決算が、相場を見極める材料となりそうです。

FIREを目指す長期投資家としては、こうした市場の変化を冷静に受け止めながら、短期的な値動きに振り回されない資産形成を続けていきたいと思います。

タイトルとURLをコピーしました